Excelだけで完結できる?
売上データの集計が終わった後、グラフを作成して、さらに報告文を考えて…という一連の作業、毎月なんとなく手間を感じていませんか?
Excelでのグラフ作成は一見シンプルに見えても、「書式を整えて」「見やすく仕上げて」「コメントをつけて」など、意外と時間を取られがち。
そして、そこに続く報告文の作成では、毎回ゼロから文章を考えるか、前月のファイルを開いてコピー&修正する…という流れもよくある話です。

毎月の作業だから慣れてはいるけどよく考えたら自動化できそうですね
今回は、そんな“毎月のルーティン”をぐっとラクにするために、Excelだけで売上グラフと報告文を自動で作る方法を紹介します。
さらに、ChatGPTを使って報告文の質を上げる方法にもチャレンジしてみました。
「業務の効率化を図りたい」「数字を見るだけじゃなく、ちゃんと“伝える”ところまで仕組みにしたい」と考えている方に、きっとヒントになるはずです。
よくある課題
売上データの集計作業は、毎月のように発生する定型業務ですが、実際にはいくつもの地味な手間が潜んでいます。
たとえば、
- データを入力したあとに毎回グラフを手動で作成し直す
- 月ごとに微妙に異なる文章を考える必要があり、手間もかかる
- 他の人に引き継ぐと、グラフの見せ方や報告文のクオリティがバラバラになる
といった問題は、どの現場でも「あるある」ではないでしょうか。
さらに、「どこが良くなったか」「前年と比べてどうか」など、読み手にわかりやすく伝えるには、それなりの言葉選びと工夫も必要です。
これを毎月ゼロから行っていたら、かなり工数が取られてしまいますよね。
だからこそ、「数字をもとに、グラフと報告文を自動でつくる仕組み」を取り入れることで、業務の質とスピードの両方を引き上げることができるのです。
その第一歩が、今回紹介するExcelとAIを使った自動化です。
まずはExcelだけでここまでできる!
「自動化」と聞くと、難しい関数やマクロを思い浮かべがちですが、実はExcelの基本機能だけでもかなりの部分を効率化できます。
特に売上推移のグラフ作成と、簡単な報告文の生成であれば、テンプレートを工夫するだけで十分に使える仕組みが作れます。
グラフはテンプレ化しておく
データの構造(縦軸:売上、横軸:月など)を決めておけば、あとは新しい数値を入力するだけで、グラフが自動で更新されるように設定できます。
グラフの種類も「折れ線」「棒グラフ」など用途に応じて選び、見やすいレイアウトで固定しておくのがポイントです。
報告文は関数で組み立てる
IF関数やTEXT関数を活用すると、「前月比でプラス or マイナス」に応じたコメントを自動で生成できます。
今月の売上がセルD2にあり、前月の売上がセルC2にある場合、以下の文章を報告文にしておくと自動で「前月比増加or減少」を表示してくれるようになります。
="今月の売上は " & TEXT(D2,"#,##0") & "円で、前月比 " & IF(D2>C2,"増加","減少") & "しました。"
こうした簡易的な文章でも、「報告文をゼロから考える手間」を大幅に減らせます。
完全自動ではないにせよ、「型」さえ作っておけば、毎月の作業は「入力だけ」で済むようになります。
Excelの力をうまく使うだけで、十分な業務効率化が可能です。
まずはここから始めてみるのが、最も現実的な一歩かもしれません。
ChatGPTを使って報告文をレベルアップ!
Excel関数だけでもある程度の自動化は可能ですが、「もっと読みやすく、もっと気の利いた文章にしたい」と思ったことはありませんか?
そこで活躍するのが ChatGPT です。
数字を渡すだけで“それらしい”文章に
たとえば、「1月の売上:105,000円、前月比:+12%、過去最高を更新」といった数値情報を入力すれば、ChatGPTは以下のような文章を即座に出力してくれます。
「1月の売上は105,000円となり、前月から12%増加しました。これは過去最高を記録しており、年初から好調なスタートとなりました。」
ただの定型文ではなく、文脈を読み取った“自然な報告文”に仕上がるのが最大の魅力です。
使っているプロンプト例も紹介
以下のようなプロンプトをテンプレ化しておけば、誰でもすぐに使えます。
以下の売上データをもとに、上司に報告する文章を作成してください。
・対象月:2025年1月
・売上:105,000円
・前月比:+12%
・前年比:+5%
・特記事項:過去最高を更新
文章は200文字以内で、ビジネス向けの口調でお願いします。
必要に応じて語調や長さも調整できるので、「今月はシンプルに」「今月は強調したい」など、柔軟に使い分けられるのもメリットです。
報告文を毎回手作業で書く時代は、もう終わりかもしれません。
ChatGPTを“部下”として使えば、数字から自然な文章を“自動生成”してくれる。そんな新しい働き方が、すでに始まっています。
実例紹介:1月〜6月の売上推移グラフと報告文
ここでは、実際にExcelとChatGPTを使って作成した「売上推移グラフ」と「報告文」の事例をご紹介します。
Excelで作成した売上グラフ
今回は、以下の2025年1月〜6月の月次売上データをもとに、カテゴリ別の売上推移を棒グラフで可視化しました。


グラフはあらかじめテンプレート化しておいたため、数値を入力するだけで即座に反映可能です。
書式や配色も統一されているため、毎月の報告資料としてそのまま使えるレベルです。


ChatGPTで作成した報告文(実例)
以下は、上記のグラフと数値をもとに、ChatGPTで生成した報告文の一例です。
2025年上半期の売上は、商品A・B・Cすべてで堅調に推移しました。特に商品Bは4〜5月にかけて大きく伸び、月間売上が初めて25万円を突破。
商品Cは2月に一時的なピークを記録したものの、以降は安定して推移しています。全体としては、前年比でも着実な成長が見られ、好調な上半期となりました。
数字の変化を的確にとらえ、読み手に「要点」と「背景」が伝わる形にまとめられています。
作業内容 | Before(手作業) | After(自動化) |
---|---|---|
グラフ作成 | 毎回作図・整形が必要 | 入力だけで自動生成 |
報告分作成 | 数字を見ながら毎回ゼロから作文 | ChatGPTが自動で文章作成 |
作業手順 | 約30~40分 | 約10分以内 |
ちょっとした仕組みとツールの組み合わせで、見た目も内容も“完成度の高い資料”が、驚くほど短時間で作れるようになりました。
これが日常業務に組み込まれれば、資料作成に追われる時間を大幅にカットし、本来の業務に集中する余裕も生まれてきます。
メリットと注意点
自動化のメリット
- 圧倒的な時短
- グラフ作成や報告文のたたき台が一瞬で完成するので、作業時間が半分以下になるケースもある
- 毎月の繰り返し作業だからこそ、時短効果は積み重なります
- 作業の標準化・属人化防止
- テンプレート化やChatGPTの活用で、「誰が作っても一定のクオリティが出る」状態になります
- 引き継ぎがしやすくなり、作業の属人化を防げます
- 報告文の質が安定する
- 数字を基にした一貫性のある文章が生成できるため、「感覚に頼った報告」になりにくく、読み手への信頼感もアップします
注意しておきたい点
- ChatGPTの文章は“万能”ではない
- 自動で出力される文章は便利ですが、内容の正確性や文脈のニュアンスには注意が必要です
- 特に社内外の重要な報告では、必ず目を通して微調整が必要です
- セキュリティと情報管理
- ChatGPTなどの外部ツールを使う場合は、社外秘情報や個人データを含まないように配慮が必要です
- 自社のセキュリティポリシーに沿った使い方を徹底しましょう
便利さと安全性のバランスをとることで、業務の効率化と品質向上の両立が可能になります。
“自動化”はあくまで道具です。
うまく使えば、あなたの働き方を大きく変える武器になります。
まとめ
売上データの報告は、数字の集計だけでなく「どう見せるか」「どう伝えるか」が問われる業務です。
これまで毎月手作業でこなしていたグラフ作成や報告文の作成も、ExcelとChatGPTを組み合わせれば、驚くほどスムーズに“仕組み化”できます。
特に今回紹介したように、
- Excelのテンプレートでグラフを自動生成
- ChatGPTで報告文を自動作成
という2つをセットで使うことで、作業時間の短縮だけでなく、資料の完成度や読み手への伝わりやすさも一段アップします。
一度型を作ってしまえば、あとは入力するだけ。
忙しい毎月のルーティン業務こそ、早めに自動化しておくことで、本当に注力すべき仕事に時間とエネルギーを割くことができるようになります。
「効率化したいけど、何から始めていいかわからない」という方は、まずは今回の方法をベースに、小さな自動化から試してみてはいかがでしょうか?
未来の自分がきっとラクになります。
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